こと、木造一般住宅において、構造体を組み上げること、またはその作業を
「建方」とか「建前」とか「棟上げ」
なんて言われたりします。一般的にはね。
やはり、「家を建てる」ということは、その人・ご家族にとって一生に一度歩かないかの一大イベントであるし、契約、地鎮祭、上棟、引き渡しまで大安吉日を選んだりと、まさに神事だろうと思います。
もっと詳しく書きたいけど、今回はそこではなく、1人の大工としてのお話。
今って、木造住宅において在来軸組工法が主流で、さらに、それを工場で加工する「プレカット工法」というのを殆どのハウスメーカーさん、工務店で採用されております。
実際、うちでも採用してるし、全国的にみても80から90%はそうなんじゃないかな?(イメージとして。根拠はありません(^^;)
以前は、墨付け・手刻みが当たり前でした。
棟上げも、今みたいな先行足場ではなく、あとから足場を組んでおりました。
もっと昔(レッカーもない頃)は、大工だけではなく、ご近所、親戚中が寄ってたかっての大仕事だったそうです。
僕自身はレッカーのない時代は知りませんが、後から足場、手刻み、墨付けは何度も経験があります。
今はなかなか無いだろうな…安全性の事もあるし。
木工事の最初の作業が「土台据え」からのスタートになりました。
棟梁が木材1つ1つの「クセ」を見て墨をつけ、それを一本ずつ手で刻み、それを積み重ねてようやく、家の構造材が完成する。
平面図だけでお家が建った時代です。
大工の基本は「研ぎ」「刻み」にあると思ってます。
せっせと研いで研いで、ようやく使えるようになった鑿(のみ)や鉋(かんな)で、棟梁が墨をつけた材料を正確に刻んでいく。
刻みを繰り返し、棟梁の墨、墨付けの技術を覚え、やがて自身も棟梁になっていく。
って、今はその過程もありませんね。
それがいいとか、悪いとかはありません。プレカットって、本当に正確ですしね。
時代の変化もあります。
結果、僕の戯言です(笑)
ただ、木材の墨付け、加工で費やす2、3ヶ月があれば、建方の時の身体バッキバキが少しは無くなるのだろうと…(笑)
この身体で、今日の仕事どーすんだ?(笑)と思いながら書いてるわけです。
でも、現場着いたら身体は動きます
そーいうもんです(笑)
時代の変化って楽しい面も怖い面もありますね。
今は、取り残されないように必死です